スペシャル

エラ・フィッツジェラルド

どんなタイプの曲であっても鮮やかに歌いこなす歌姫。スロー・バラードも天下一品なら、アップ・テンポでスイングする曲も、ラテン調のナンバーも自由自在だ。
エラ・フィッツジェラルドは、約60年間にわたってジャズ界の第一線に君臨した。ついた呼び名は“ザ・ファースト・レディ・オブ・ソング”。ファースト・レディとは通常、大統領夫人のことだが、同時に「世界トップの、高貴な女性」であることも意味する。エラは何を歌っても、常に品格を失わず、曲本来の美しさを尊重した。
1917年4月25日、ヴァージニア州ニューポート・ニューズ生まれ。コニー・ボスウェル(30年代に絶大な支持を集めたコーラス・グループ“ボスウェル・シスターズ”の一員)やルイ・アームストロングの演唱に触発されて歌手活動を始め、17歳の時にハーレム、アポロ・シアターの名物企画「アマチュア・ナイト」に登場。たちまち才能が認められ、18歳で人気バンド“チック・ウェッブ・オーケストラ”のシンガーに抜擢された。39年にウェッブが死去すると、バンド・リーダーの座を受け継ぎ、41年まで活動を継続。その後はソロ・シンガーとして、さまざまなプロジェクトで才能を発揮した。53年には名プロデューサー、ノーマン・グランツ率いるパッケージ・ツアー“ジャズ・アット・ザ・フィルハーモニック”(JATP)の一員として初来日。56年に始まったソングブック・シリーズ(コール・ポーター、ジョージ・ガーシュウィン等、20世紀アメリカを代表する作曲家の作品集)も大好評を博した。73年にはカーネギー・ホールで、これまでのキャリアを回顧する一大リサイタルを開催。93年までステージに立ち続け、96年7月15日にカリフォルニア州ビバリーヒルズで亡くなった。
計13回のグラミー賞に輝く“シンガーになるべくして生まれた女性”、エラ・フィッツジェラルド。生誕100年を迎える今、その艶やかな歌声に改めて光が当たろうとしている。

エラ、ここがポイント
●マリリン・モンローを魅了した美声
伝説のハリウッド女優、マリリン・モンローはエラの大ファンだった。ニューヨーク滞在中は足しげくライヴに通い、ロサンゼルスきっての超高級ナイト・クラブ「モカンボ」にもエラの出演を売り込んだ。結果は大成功、エラの歌声は白人セレブたちの心をもしっかり掴んだ。
●大迫力のスキャット、絶品のバラード
自由奔放なスキャット(歌詞を伴わない発声)で楽器奏者と渡り合うかと思えば、歌詞の一語一句を大切にしながら丁寧にバラードを歌い込む。二大ライヴ名盤『エラ・アット・ジ・オペラ・ハウス』と『エラ・イン・ベルリン』は、彼女の幅広いスタイルを味わうのに最適だ。
●不滅の偉業“ソングブック・シリーズ”
1956年から64年にかけてコール・ポーター、ジョージ・ガーシュウィン、アーヴィング・バーリンなどアメリカを代表するジャズ/ポップスの作曲家が書いた楽曲を大量に録音(計8種、LP換算で19枚)。これらは“ソングブック・シリーズ”と呼ばれ、スタンダード・ソングの聖典として不滅の評価を得ている。
●大統領自由勲章を受章
1992年、ブッシュ大統領(当時)から大統領自由勲章を受章。ジャズ界ではデューク・エリントン、カウント・ベイシー、フランク・シナトラらに続く快挙であった。またイェール、ダートマス、プリンストンなどアメリカの名門大学でも名誉博士号を授与されている。
●後進からも多大なリスペクト
ディー・ディー・ブリッジウォーターは『ディア・エラ』、パティ・オースティンは『フォー・エラ』というトリビュート・アルバムを発表。また2007年リリースの『ウィ・オール・ラヴ・エラ』ではダイアナ・クラール、リンダ・ロンシュタット、リズ・ライト、クイーン・ラティファらがエラに表敬した。

エラ・フィッツジェラルドの作品

  • 『エラ・アンド・ルイ』

    ■『エラ・アンド・ルイ』  UCCU-5558 ¥1,620
    “ジャズの王様”ルイ・アームストロングと“ファースト・レディ”エラ・フィッツジェラルドによる究極のデュエット・アルバム。
    二人が持ち味を発揮して、楽しさ溢れる極上のパフォーマンスを披露。バックは、オスカー・ピーターソン・トリオにバディ・リッチが加わるという超贅沢な布陣。
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  • 『マック・ザ・ナイフ〜エラ・イン・ベルリン』

    ■『マック・ザ・ナイフ〜エラ・イン・ベルリン』  UCCU-5565 ¥1,620
    ジャズ界の“ファースト・レディ”エラ・フィッツジェラルドが残したジャズ・ヴォーカル史上最も有名なライヴ盤。
    ホットなスキャットで乗りまくる「ハウ・ハイ・ザ・ムーン」、サッチモの物真似も楽しい「マック・ザ・ナイフ」などで、圧倒的なステージ・パフォーマンスを披露する。
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  • 『エラ・アット・ジ・オペラ・ハウス+9』

    ■『エラ・アット・ジ・オペラ・ハウス+9』  UCCU-5602 ¥1,620
    ジャズ界の“ファースト・レディ”が残した『エラ・イン・ベルリン』と並ぶもうひとつの傑作ライヴ盤。
    オスカー・ピーターソンを初めとするJATPオールスターズをバックにアップテンポもバラードも絶好調。オペラハウス&シュライン・オーディトリアムの2つのステージを収録。
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  • 『ソングス・イン・ア・メロウ・ムード』

    ■『ソングス・イン・ア・メロウ・ムード』  UCCU-5787 ¥1,620
    ジャズ界の“ファースト・レディ”が名手エリス・ラーキンスのピアノをバックに美しいバラードを優しく歌う。「スターダスト」の名唱が心に沁みる。
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  • 『ライク・サムワン・イン・ラヴ』

    ■『ライク・サムワン・イン・ラヴ』  UCCV-9636 ¥1,620
    オールマイティな歌姫、エラがバラード・シンガーとしての持ち味をフルに発揮した1枚。スタン・ゲッツの叙情的なテナー・サックスも聴きどころ。
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  • 『エラ・スウィングス・ライトリー+4』

    ■『エラ・スウィングス・ライトリー+4』  UCCV-9637 ¥1,620
    マーティ・ペイチのビッグ・バンドのゴージャスな演奏を従え、絶頂期だったエラがスウィンギーに歌う、代表的スタジオ盤。
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  • 『ウィスパー・ノット』

    ■『ウィスパー・ノット』  UCCV-9638 ¥1,620
    エラ・フィッツジェラルド、マーティ・ペイチという両巨匠による作品。タイトル曲はスタンダード・ナンバーとして、その後も歌い続けられる楽曲となった。
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  • 『ポーギーとベス』

    ■『ポーギーとベス』  UCCU-5574 ¥1,620
    ジャズ界の“ファースト・レディ”エラ・フィッツジェラルドが残したジャズ・ヴォーカル史上最も有名なライヴ盤。
    ホットなスキャットで乗りまくる「ハウ・ハイ・ザ・ムーン」、サッチモの物真似も楽しい「マック・ザ・ナイフ」などで、圧倒的なステージ・パフォーマンスを披露する。
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