スペシャル

スタン・ゲッツ

スタン・ゲッツ

“ザ・サウンド”と形容される美麗な音色、限りなくメロディアスな即興演奏。今年で生誕90周年を迎える巨星、スタン・ゲッツの魅力は尽きない。
1927年2月2日、ペンシルヴァニア州フィラデルフィア生まれ。13歳でサックス演奏を始め、16歳のときにジャック・ティーガーデン(映画「真夏の夜のジャズ」に登場するトロンボーン奏者)率いるオーケストラでプロへの第一歩を踏みだした。47年から49年までウディ・ハーマン・オーケストラに在籍、「アーリー・オータム」における叙情的なソロで脚光を浴びる。51年、北欧の民謡をジャズ化した「ディア・オールド・ストックホルム」を録音。58年から61年にかけてはスウェーデンを拠点に活動した。
母国アメリカに戻ったゲッツは、ブラジル発の新しいポピュラー・ミュージック“ボサ・ノヴァ”に新境地を開く。ギター奏者チャーリー・バードと組んだ『ジャズ・サンバ』(62年)は全米ポップ・アルバム・チャートで首位を獲得し、シングル・カットされた「デサフィナード」は100万枚を売り上げたと伝えられる。翌年に入るとジョアンとアストラッドのジルベルト夫妻、そしてアントニオ・カルロス・ジョビンを加えたアルバム『ゲッツ/ジルベルト』を録音。同作は第7回グラミー賞で“最優秀アルバム”、“最優秀ジャズ・インストゥルメンタル・アルバム”、“最優秀録音賞(ポピュラー音楽部門)”を獲得。シングル・カットされた「イパネマの娘」は“レコード・オブ・ザ・イヤー”に輝いた。
さらに64年、弱冠21歳のヴィブラフォン奏者ゲイリー・バートンをバンドに抜擢。67年の『スウィート・レイン』では、まだ無名同然だったチック・コリアのプレイにもスポットを当てながら、さらにスケールを増した即興演奏で圧倒した。70年代のゲッツ・バンドからはリッチー・バイラーク、ジャック・ディジョネット等が去来し、80年代半ばからはケニー・バロンをパートナーに、モダン・ジャズもボサ・ノヴァも総括した、まさしく“ゲッツ・ジャズ”というべき世界を展開。91年6月6日に他界する直前まで、第一線に立ち続けた。

ゲッツ、ここがポイント
●ヒットに恵まれた国民的ジャズ・ミュージシャン
「デサフィナード」や「イパネマの娘」で全米ヒット・チャートを席巻。計5度のグラミー賞受賞歴を誇り、86年には世界一の歴史を持つアメリカのジャズ専門誌「ダウンビート」の“名声の殿堂”入りを果たした。
●クールにしてウォームな音色
初期は楽器のハイ・トーンを透明感たっぷりに鳴らす“クールな”プレイでジャズ界に新風を吹き込んだ。しかし50年代半ばに入ると徐々にサックスの音色に厚みが増し、楽器の全音域を駆使するがごとき“ウォームな”スタイルへ移行。その変遷も楽しみたい。
●若手ミュージシャン育成の名人
チック・コリア、ゲイリー・バートン、スタンリー・クラーク、リッチー・バイラーク、ジャック・ディジョネット、ブライアン・ブロンバーグ、マーク・ジョンソン、チャック・ローブ、ケニー・バロンら現代のジャズ界に君臨する名手たちを数多く育成。若手発掘の才能はマイルス・デイヴィスにも匹敵する。
●映画音楽でも活躍
『クレイジー・ジャンボリー』(原題:Get Yourself a College Girl)、『エクスタミネーター』、アラン・ドロン主演の映画『チェイサー』(原題:Mort d’un Pourri)には演奏者としても登場。出演こそしていないものの、アーサー・ペン監督の日本未公開映画『ミッキー・ワン』のサウンドトラックにも大きくフィーチャーされている。
●幅広い楽曲に取り組む柔軟性
自身で作曲することは少なかったが、いわゆるスタンダード・ナンバー、ジャズメンのオリジナル曲、ボサ・ノヴァ、フォーク・ソングなど幅広いレパートリーに取り組んだ。どんな楽曲も“ゲッツ色”に染める個性は他の追随を許さない。

同時発売最新作

スタン・ゲッツ最新作『ベスト・オブ・スタン・ゲッツ』

『ベスト・オブ・スタン・ゲッツ』
2017年3月8日(水)リリース
UCCU-1535 ¥1,944(tax in)
2017年に生誕90周年を迎えた天才テナー・サックス奏者、スタン・ゲッツのオール・タイム・ベスト
1940年代から亡くなる1991年までの約半世紀。ジャズを取り巻く様々な流れの中で、常に先頭を走っていた偉大なるインプロヴァイザーの足跡を辿る。

スタン・ゲッツの作品

  • 『モア・ウエスト・コースト・ジャズ』

    ■『モア・ウエスト・コースト・ジャズ』 More West Coast Jazz  UCCV-9639 ¥1,620
    50年代前半のウェスト・コースト全盛期に活躍した、レギュラー・クインテットの記録。名作『ウェスト・コースト・ジャズ』の2年前に収録された本作には「時さえ忘れて」他、しっとりとしたスロー・ナンバーから軽快なナンバーまで質の高いアレンジを効かせた演奏を収録。)

  • 『ザ・スティーマー』

    ■『ザ・スティーマー』 The Steamer  UCCV-9640 ¥1,620
    オスカー・ピーターソンが命名したゲッツ自身の愛称(“蒸気機関”の意味)をタイトルにした、西海岸の名リズム・セクションを従えての躍動的なワン・ホーン・アルバム

  • 『ザ・ソフト・スウィング』

    ■『ザ・ソフト・スウィング』 The Soft Swing  UCCV-9641 ¥1,620
    ほんの一時期しか活動しなかった幻のコンボによる唯一の作品。作編曲家としても異彩を放つピアニスト、モーズ・アリソンが参加した貴重な音源。タイトルどおり、ゆったりとリラックスした演奏が楽しめる

  • 『スタン・ゲッツ&ボブ・ブルックマイヤー』

    ■『スタン・ゲッツ&ボブ・ブルックマイヤー』 Stan Getz & Bob Brookmeyer  UCCV-9642 ¥1,620
    トロンボーン奏者、ボブ・ブルックマイヤーとの7年ぶりの再会セッション。味わい深いサックスの音色と、トロンボーンのふくよかな音が溶け合う。スティーヴ・キューン、ロイ・へインズを迎え、バラードからアップテンポな楽曲までを録音。

  • 『スタン・ゲッツ・アット・ラージ』

    ■『スタン・ゲッツ・アット・ラージ』 At Large  UCCV-9643/4 ¥2,268
    スウェーデンの実力派ピアニスト、ヤン・ヨハンソンを中心としたトリオをバックに、コペンハーゲンにて録音されたアルバム。バックの好演に応えるかのごとく、ゲッツ自身も熱演している2枚組CD。

  • 『リフレクションズ』

    ■『リフレクションズ』 Reflections  UCCV-9645 ¥1,620 \
    ラロ・シフリン、クラウス・オガーマンの2人を編曲に迎え、コンボ、ビッグ・バンド、ウィズ・ストリングスの編成で聴かせるバラエティ豊かな1枚。ボブ・ディランの「風に吹かれて」も収録。

  • 『ノーバディ・エルス・バット・ミー』

    ■『ノーバディ・エルス・バット・ミー』 Nobody Else But Me  UCCV-9646 ¥1,620
    ゲイリー・バートン在籍中のカルテットによる唯一のスタジオ録音。

  • 『スタン・ゲッツ・カルテット・イン・パリ』

    ■『スタン・ゲッツ・カルテット・イン・パリ』 Stan Getz Quartet In Paris  UCCV-9647 ¥1,620
    ‘66年の欧州ツアー中にベスト・メンバーで行われた絶好調期のパリ・ライヴ。ボサノヴァからスタンダードまで、全編において軽快にスウィング!

  • 『ダイナスティ』

    ■『ダイナスティ』 Dynasty  UCCV-9648/9 ¥2,268
    1971年、ロンドンのロニー・スコット・クラブでのライヴを収録。オルガン、ギター、ドラムとのカルテット編成でのファンキーでグルーヴィーな演奏を収録。日本初CD化。

  • 『ボサ&バラード~ロスト・セッション』

    ■『ボサ&バラード~ロスト・セッション』Bossas & Ballads  UCCV-9650 ¥1,620
    1989年にレギュラー・クインテットで吹き込んだ幻のスタジオ・セッション。ケニー・バロンをフィチャーしたクァルテットによる円熟味と叙情性を増した晩年の音を深く味わえる作品。